病理学講座・病理診断科では、病理学の特徴を活かした研究を行っています。
現在20余りのプロジェクトが走っていますが、以下に挙げる3つのカテゴリーに大きく分かれます。
- 呼吸器/胸部疾患が中心になりますが、新しい観点から症例を集めてその臨床・病理・画像の特徴を検討し、疾患概念を確立したり、新しい疾患の分類を提唱する研究
- 数百や数千の症例を一つのブロックに埋め込む組織アレイの技術を使って、全身の腫瘍など難治性疾患における分子の発現を観察し、その特徴から診断や治療(特に創薬)に応用できるバイオマーカーを同定する研究
- デジタル病理技術を用いた、1)病理診断の標準化、2)診断ネットワークを形成してPositiveなLearning systemの構築、3)診断補助ソフトウェアの開発研究
医師や大学で働く病理技師にとって研究は重要なそして必須の職務です。医学・生物学の進歩を、遅れることなく適切に診療に活かす事が、先端医療を担う医療人に求められますが、その為には日々自らが研究を行い、医療の進歩に貢献する必要があります。
病理学研究の多くはその結果を「明日から」診療に使うことが出来る程、実臨床に近いことが特徴であり、直接自身の診断能力の向上にも繋がります。
また、こういった研究は病理医のみでなく、臨床医としての実力にも大きなプラスの影響を与えると確信します。
学部生や大学院生が一定期間病理学研究を行うことは、将来の医師としての人生に役立つと思いますので、是非検討してみてください。